予定調和の崩壊

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その日の朝は、珍しく早く目が覚めた。
心臓の鼓動もこころなしか早い。
予定調和の崩壊が始まったような、私の不思議な体験。

目次

電話の向こう

それもそのはず、不謹慎で悲しい夢を見てしまったのだ。
おじいちゃんが死んじゃった夢。

1年前に会いに行って以来、連絡を取ってなく、最近は気にかけることすらなかった。
だからこそ、あの日の夢の光景は異様なほど鮮明に感じたのかもしれない。

夢の中では、母親、父親、そして僕の三人が母方の実家にいた。

仏間で倒れ、意識のないおじいちゃん。
父親が必死に心肺蘇生をし、母親は泣き崩れ、僕は何もできず、ひたすらに「おじいちゃん!」と叫んでいた。
おじいちゃんが亡くなった瞬間、目が覚めた。

真冬で部屋は寒いのに、全身が汗でびっしょり。
いつの間にか手にしていた、スマホの真っ黒な画面を見つめ、息が荒いまま動けずにいた。

夢と現実の境

どれぐらい経過したか解らない。
スマホが震え、母親からの電話がきた。

「おじいちゃんが夜中に転んで、頭を打って出血多量でもう持たないかも」

母の声に混じり緊迫した周囲の音が聞こえてくる。
「もうダメかもしれないけど、まだ息はあるから」と涙ながらに訴えてくる。

僕は夢と現実が継ぎ目なく混ざっている気がして、おじいちゃんの結末を思い出し、冷静に「わかった。何かあったらまた連絡して」と冷淡な一言を言い放って電話を切った。

でも、あれは夢だ、今は現実だと心に強く思い、必死に祈ったが・・・数分後、再び電話が鳴った。
おじいちゃんが亡くなった。
悲しかった。
泣いた。

けれど、想定内の出来事のように感じていた。

メッセージ


通夜も葬式も火葬もすべて終えて、家に戻ったけれど、現実感がなかった。
理系の大学を出ており、科学的根拠のないものに対しては懐疑的な考えを持っている。
心霊写真や心霊動画も偽物としか思えない。
しかし、今回体験したことは、歴然と僕の記憶に残っているし否定のしようがないことは確かだ。

どうにも信じられない気持ちが拭えない。

夜、布団に入ると、すぐに眠気がきて目を閉じた瞬間、あの仏間が見えた。
父親が倒れたおじいちゃんの心肺蘇生をして、母親が泣きじゃくる。

僕が立って様子を伺っていると、おじいちゃんが少し動いたように見えた。

次の瞬間、僕は飛び起きた。
汗でびっしょりで、手に持ったスマホの画面が光っている。
母からのLINEで、未読のメッセージがひとつ。

「おじいちゃん、もうすぐ退院できそう」

・・・・・・・・・・・・え?!

※画像はイメージです。

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