M4で戦い続ける先輩

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1月の下旬。サバイバルゲーム仲間のAさんが亡くなりました。
仕事を終えた夜、共通の友人からかかってきた電話は、泣き声で途切れ途切れ。
「Aさんが、亡くなった」

最初、冗談だと思いました。
あの人は誰より声がでかく、弾が当たっても笑ってた。
ニュースを聞いた日、スマホを落としそうになったのを今でも覚えています。

目次

亡くなったAさん

Aさんは、80年代からサバゲをしている古株で、地元のフィールドの常連でもありました。

私はルールもトイガンの扱いも分からない始めたばかりの頃、サバゲーの基本をAさんに全部叩き込まれました。
「隠れるな。動け。動けば相手は迷う。」
「当たらない弾を撃つ奴は、敵より味方に迷惑だ。」
ゲームでは、負けるのを何より嫌っていた人です。

使っていたトイガンはマルイの古いM4を改造したもので、打つたびの金属の軋むような音が鳴り、普通じゃない爆音が印象的。
「俺のは流行りの流速チューンだぜ」
「長い銃を使う奴ほど、撃たれやすい。」
と語るとき、子供みたいな顔をしていたのを思い出します。
面倒見が良く本質的には悪い人ではないのですが、言動や行動から人に嫌われやすい面ある人でした。

亡くなったのは雪の夜、飲んで帰って、鍵とスマホを店に忘れ、吹雪の中、家の玄関の前で眠ってしまったらしく、翌朝、妹さんが見つけた時にはもう手遅れだったそうです。

通夜の夜の出来事

通夜には、親族、会社の人、友人等、大勢の人が来ていました。
棺の横には、使っていた迷彩服、装備、愛用のM4が飾られ、私はそれを見ただけで涙が止まりません。

お坊さんの読経が始まり、焼香、親族の挨拶が終わり、殆どの人達が帰った後、最後のあいさつをしようとサバゲ仲間が集まって棺の前に集まったときでした。

飾ってあったM4がゴトリと倒れて、パパパと一掃射。
式場に残っていた何人かにBB弾が当たり、悲鳴が上がったのです。
その場にいた全員が驚き、咄嗟にトイガンを拾い上げて確認すると、セーフティーはONの状態、バッテリーが入っていなかったので、発射できる訳はない。

親族の方が深々とお詫びをし、その場は収まったようですが、なんとなくAさんの仕業の気がしてなりません。

追悼戦

それから一ヶ月後。
行きつけのフィールドでは常連ばかりが集まっていたこともあり、運営の計らいで、1ゲームが「追悼戦」として行われることになりました。

Aさんと特に親しかったBさんが、「せめて銃だけでもゲームさせてやろうぜ」と、Aさんの愛用していたM4を持ってきていたので、そのM4を使うことにしたのです。

ゲームはフラッグ戦。
敵陣のボタンを押した方が勝ちというルールです。

ホイッスルが鳴ると同時に、Bさんは開幕ダッシュをかけます。
彼はAさんと同年代で、普段はのんびり構えるタイプで、全力疾走なんてまずしません。
「Aさんを思って、無理してるんだろう」と私は思って見ていました。

ところが、Bさんは次々に敵をヒットしていき、その動きは、まるで若い頃のAさんを見ているようです。
それだけでは終わらず、前方のバリケードに身を潜めていたかと思えば、突然、フラッグへ向かって走り出しました。
後ろから見ていても、あからさまにBB弾が何発も当たっているはずなのに止まらない。
そのままフラッグを取り、ゲームは終わった。

「そりゃないよ!」
敵チームのメンバーが抗議しようとBさんに近づいた瞬間、Bさんは仰向けに倒れてしまったのです。

戦い続けた

その場で定例会そのものが中断。
Bさんはセーフティーに寝かされ、救急車を呼ぶべきかといった状況のなか、むくりと起き上がりました。
そして「あれ?追悼戦って終わった?」と一言。

運営は驚いて事情を聞くと、追悼戦を始める為にフィールドに入った辺りから記憶が無いそうで、気がついたら今の状態になっていたとか。
状況を聞いたBさんは、「亡くなってもゾンビ行為か、性格、治らなかったんだな。」と言ったとか。

Aさんは先輩であり、亡くなった方を悪く言うのも嫌な事ですが。
私はAさんらしいなと思い、ゲームの後に一人でAさんの家に線香を上げに行って「もう、いいかげん成仏してくださいね」と一言つたえたのです。

※画像はイメージです。

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