祖父は私が生まれる前に亡くなりましたが、いくつかの不思議な体験の話を聞いています。
その中でも特に印象深かった話をします。
雪女
雪の降る冬の夜、近所での会合を終えた帰り道のことです。
東北の豪雪地帯という土地柄、寒さは厳しく、特に夜は外出時に重装備が欠かせません。
ふと女の人が目の前から歩いてくるので、「こんばんは」と声をかけたのですが返事がありませんでした。
昔の田舎の道はほとんど街灯はなく、相手の顔が見えないのは仕方ありません。それに、世の中には無愛想な人もいますから、あいさつを返さないこともありえます。
しかし、祖父の知る限り、ほとんどが顔見知りばかりの土地で、返事をしないのは不自然です。
それだけではなく、その女性はこんなに寒いのに着物一枚で、さらに異様なことに、すれ違ったときに生きている人間のようには感じられませんでした。ぞっとしながら振り返ると、女性の姿は影も形も消えていた。
家に帰ってから、この事を家族に話して、「あれはおそらく・・・人じゃないな。雪女かもしれん」とつぶやいたそうです。
何かが乗っている
数十年が経ち、あの奇妙な体験をした道は、冬でも車が通れるほどに整備されました。
祖父がカブ(50cc原付)に乗って帰宅している途中、あの道に差し掛かった時。
何気なくミラーをのぞくと自分の後ろに女性の顔が見えた、というより位置として2人乗りになっていた。
カブは一人乗りでダンデムシートではありません、そもそもですが、後ろに人を乗せたわけではありません。
背中の辺りがひんやりとしながらも、たしかに何かが乗っている感覚が伝わってきます。
途端に恐ろしくなって、「振り切れないだろうか?」とがむしゃらにスピードを上げて走り、なんとか自宅に到着すると、いつの間にか感覚はなくなり、女性は姿も消していたそうです。
あの道
あの道は昔から今に至るまで、不思議な体験があったという噂がいくつも伝えられています。
ただ、祖父のように繰り返して体験したという話は聞いたことがありません。
二つ目の話は冬ではなかったものの、同じ雪女ではないかと思うのです。
その後に遭遇したという話は聞いておらず、「雪女」について深く聞き出そうとすると、必ず話をはぐらかされました。
そこから推測するに、祖父は雪女に魅了されるような事をしてしまったのかもしれません。
しかし、すでに故人となってしまった今となっては、何があったのかは闇の中です。
※画像はイメージです。


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