1967年から1987年の20年のかけて起きた連続殺人事件。
イギリスの静かな町グロスターで、フレデリック・ウェストとローズ・ウェストの夫妻が暮らしていました。
表向きは普通の家庭に見えましたが、その実態は・・・。
イギリス史上でも特に残虐な連続殺人事件の一つとされ、書籍や映画化もされ、世界中に衝撃を与えました。
通称「恐怖の館」と呼ばれた事件の概要を簡単に解説します。
犯行は自宅
フレデリックとローズ・ウェストの家は、見かけこそ当時のイギリスでは典型的な住宅です。
夫妻は、そこを「下宿」と称して若い女性たちを招き入れるのですが、通された先は帰ることのできない部屋。
地下室は夫妻の手で拷問部屋に改造され、下宿人たちは長時間にわたって拘束され、性的な暴行や拷問を受ける事に。
果てに命を奪われた被害者たちは解体され、地下室や壁の中に押し込まれ、庭には浅い穴が掘られ、コンクリートで固められるという残虐な処理が行われました。
さらにおぞましいのは、被害者が他人だけではなく、娘にも同様の虐待を加え、最終的に殺害していました。
表向きでは、この夫婦は近所の人々から「普通の中流家庭の親切な夫婦」として見られていました。
笑顔を絶やさず、庭の手入れや下宿人の世話をしている姿も目撃され、日常生活ではごく普通の家庭にしか見えなかったのです。
この「普通さ」が、彼らの狂気を隠す最大のカモフラージュ。
下宿人たちは、まさか家の地下で拷問や殺害が行われているとは夢にも思わなかったでしょうし、庭の工事も、地下の改装も、「あの人たちは家の手入れが好きなんだろう」と笑って済まさたのかもしれません。
逮捕と裁判
娘の友人による通報がきっかけで、1994年、ウェスト夫妻ははついに逮捕されました。
被害者は少なくとも12人、調査によると18人以上に及ぶとされていますが、ハッキリとした人数は不明。
逮捕されたウエストは、悪びれもせずに妹をレイプしたことを認めますが、かつての父親と同様に「みんなもやっているだろ?」と発言したことで、周囲を驚かせました。
それどころか、ローズマリーに「新年おめでとう、ありったけの愛をこめて」と書き残し、裁判にかけられる前に刑務所で自殺。誰も裁けない場所へ逃げたのです。
ローズは有罪判決を受け、終身刑、仮釈放なしの判決が下されています。
事件の意義と影響
この事件の恐ろしさは、単なる猟奇的な殺人に留まらず、「家庭」という日常の場で行われた狂気。
夫妻がなぜ犯行に及んだかには、生育環境や家庭内での虐待が大きく影響していたとされています。
夫のフレデリック・ウェストは、八人兄弟の長男として生まれました。
「娘を犯すのは父親の特権」を主張する父親の下で育ち、「みんなやっているだろう」と妹はおろか、母親とも関係をもったそうです。父親には獣姦も仕込まれていたそうで、もう何でもアリの狂人。
妻のローズもまた、総合失調症の父親に暴力を振るわれ、母親は精神不安定、夫同様に近親相姦を行っていたのです。
夫妻の凶行は、家族からの虐待や性的関与にさらされ、人格形成には、支配と服従、愛と暴力の複雑な混ざりが影響していたとされます。
二人は歪んだ家庭環境が原因とはいえ、数々の残虐な行為は完全に彼ら自身の意思によるものなので同情の余地はありません。
彼らにとって“下宿人”とは、支配と快楽のための「道具」にすぎません。
人間としての倫理感は完全に欠落しており、他者を「人」として見なすことさえなかったのだと思います。
この事件はイギリス国内にとどまらず、世界中のメディアでも大きく報道されました。
夫妻の自宅は「House of Horrors(恐怖の館)」として知られ、住民の希望もあり取り壊され、現在は歩道として整備されています。
しかし、この事件は今もなお、犯罪史における極限の恐怖として語り継がれています。
ふとおもったのですが、私達の周囲にも、日常の裏側に、気付かれない狂気がどれほど潜んでいるのでしょう?
※画像はイメージです。


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