私は、築およそ100年近い平屋の古民家に住んでいました。
当然木造建築で座敷と居間が襖で仕切られ、その横は長い廊下で繋がっているまさに昔ながらの家でした。
そんな家に生まれたからなのか、不可解な体験が多く、例えば金縛りやいわゆる不思議な物音のような物は一通り体験しています。
夏の昼過ぎのこと
2005年夏の暑い日のお昼頃、夏休みで暇な高校生の私は、家族が仕事や外出で留守だったので1人でテレビを見ていると眠くなってしまい、少し横になろうと思って寝転がりました。
当時は携帯電話こそあったものの、現在のスマホのように動画を見たり、SNSで連絡を取り合ったりは出来なくて、これといった暇つぶしもなかったので、そのまま、うとうとと眠りに。
寝たか寝てないから微妙なとき、遠くから少しずつ近づいてくる音がします。
大勢の人の足音と喋り声が混ざったような、「ざわざわ」とした音。
実は私、以前にも似たような音で起こされた事があったので、またかと思い「うるさいなぁ」って半身起き上がりましたが、眠気に勝てず、頭を掻いて、また寝る姿勢になりました。
するとまた、寝ついたか否かぐらいの時に、先程よりも近い位置から来る感じで、同じように「ざわざわ」音がするのです。
「もう・・・うるさい!」
そんなに不可解なものだと認識していなかった自分も不思議ですが、やはり気にせずまた寝ようとしました。
ざわざわ音が聞こえる
眠りについて少し経ったぐらいでしょうか、今度は明らかに耳元から、しかも大きな音で「ざわざわ」音が聞こえるような感覚、さすがにうるさく迷惑だったので飛び起きました!
起き上がった後、数秒のうちに目眩がしてきて足元がふらつき、壁際にある桐製のタンスに寄りかかりました。
すると今度はもう立っていられないくらいの振動が!
「あっ!地震だ!」と思い、急いで家の外に出ました。
ちょうど外では同じように地震と思ったらしく、郵便配達員さんがバイクを支えており、私もその人の横で揺れが収まるのを待っていました。
それは後に宮城県沖地震と呼ばれる、マグニチュード7.2の地震でした。
揺れも収まり、家も壊れた感じはなかったので、安全を確認して家に入ると、先程居た部屋のテレビが倒れていました。当時のテレビはブラウン管の角型、大人の男性でもやっとこ持てるかぐらいの重さで、10キロは軽く超えているものでした。
それがテレビ台から落ちていたのです。
最初は「あ、テレビ落ちてる」とくらいでしたが、そのあとゾワっとした感覚と冷や汗が出てきました。
なぜそんな感覚になったのか・・・よくよく考えてみたら、テレビが落ちたのは、私が横になって寝ていた場所です。
つまり、もし揺れの前に起きていなかったら、あのテレビは私に向かって落ちてきている。
そうなると、当たりどころによっては命の危険性があったかもしれない・・・と気づいたのです。
仮に命は助かっても何かしらのケガ、あるいは骨折は免れなかったでしょう。
音の正体
幸いにも揺れの前に起きたので良かったぁと思った私でしすが、あらためて睡眠から起きた理由を思い出しました。
あの「ざわざわ」音です。
あれは一体なんだったのか?
よくその手の経験があった私ですが、何か因縁めいたものがあったのをその後しる事になります。
夕食の時に、この話を祖父母に話してみまると、意外な事を言われました。
「この家は古く、大勢の先祖が住んでいた家だから、若手のあんたが不幸にならないようにちゃんと、先祖達が大勢近づいて起きろ起きろと伝えてくれたんじゃないんかね?」
なるほどと合点のいくような気もしたわけですが、単なる偶然なのかどうか?
しかし、いずれせよ助かった事は紛れもない事実であり、私はそれから仏壇やお墓参りに行く際はいつも感謝の言葉を念じるようになりました。
誰かに守られているかもしれないと思うと、不思議と困難な事に少し抵抗がなくなった気がします。


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