昇仙峡グリーンラインで見た幽霊の仮説

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山梨は四方を山に囲まれ、町を外れればすぐに深い景色へと入る土地です。
ツーリングするのが趣味な私は、お気に入りのスポットが多いこの土地にしばしばへ足を運んでいます。

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山道に立つ老婆

2000年代初頭、「昇仙峡」を訪ねました。
甲府市北部にあるその地へは「昇仙峡グリーンライン」を通りっていくのですが、道の大部分が急カーブと上下の勾配が連続する山岳道路。

ツーリングやドライブにはうってつけですが、突然の路面状況やスピードの出し過ぎには注意が必要です。といっても、大自然の中のちょっとテクニカルなワインディングは、気持ちよくなって、ついつい攻めてしまいうもの。

大きく左に曲がるカーブの脇、右手の斜面にちらっと何かが見えたのです。
スローモーションのように流れる景色の中、それは色とりどりの布を重ねて、どこか民族衣装めいた服を着た老婆が立っているのです。
バス停も民家もない山中、そんな場所に人が立っている訳がない・・・それも老婆が!

あやしく思いながらもそのまま通り過ぎ、昇仙峡に着いて観光を楽しんでいたら、すっかり忘れていました。

しばらくして、バイク仲間との飲み会がありました。
夏だった事もあって怪談話でもりあがり、昇仙峡での話をすると、どうやら心霊スポットとしても有名だと言うのです。
あのときはなんとも無かったのですが、そう言われると気になってしまい調べたのでした。

昇仙峡の事故

当時、普及しだしたインターネットで調べてみると、思った以上に心霊スポットとしての情報があった驚きました。
その中でも注目すべきは1977年8月11日に起きた事故で、観光バスが谷底に転落し、死者11名、負傷者34名の犠牲者が出たというのです。

私が見た老婆の場所が事故現場そのものかは定かではありません。それに、もしこの事故が原因で幽霊が出るとしたら、老婆ではなく観光客の姿です。
また私が見たものは、錯覚の可能性もあって幽霊だったとは限りません。
しかし、そうとも思えないように思えたので、一つの仮説をたてました。

山中に現れる「老婆」は、民話ものしばしば登場する存在です。
東北や信州では「山姥(やまんば)」として語られ、山に迷い込んだ旅人を導いたり、命を奪う存在として恐れられてきました。派手な衣装という点は珍しいものの、「異質な老婆が山中に立つ」というモチーフ自体は、日本各地の怪異譚に共通しています。

昇仙峡は古くから信仰の対象であり、修験道や山岳信仰の場でもありました。
そのため、1977年のバス事故、その他にも土地にまつわる霊的な存在が「老婆の姿」を借りて現れた可能性があります。民族衣装のように見えたのは、現代人の視覚や記憶に引っかかる形で顕れたのでしょう。

怖い存在ではなかった故に、私になにかしらの害悪が及ぶ事もなく、恐ろしい記憶としても残らなかったと思うのです。ただ、それがどんな存在であっても、もう一度みてみたいとは思いません。

※画像はイメージです。

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