この話は、古典怪談のおいてけぼりをオマージュにした作品です。
すこしですが、ある漫画のオマージュも加えてユーモラスな感じにしました。
実話怪談とは違いますが投稿しますので、読んでみて感想があればお聞かせください。
通りは静まり返り、街灯の光だけがぼんやりと足元を照らしている深夜。
アルバイト帰りの翔は駅前のコンビニに立ち寄りました。
店内の明るい蛍光灯にほっとしたのもつかの間、レジの奥から声が聞こえてきます。
「おいてけ、おいてけーー」
振り返ると、そこには顔のない不気味な男性の姿が立っていました。すると次の瞬間、コンビニの奥からゾロゾロを怪異が現れはじめます。冷蔵庫の扉の隙間から目だけが光る小鬼がちらりと覗き、おでんの鍋の湯気の中には顔のような模様が浮かび上がり、ふっと笑ったような表情みせては消えていくきます。
ふいに背筋がぞくりとはしますが、鎌倉ではこんな怪異は珍しくもなく、翔は「またか」と心の中で呟くのでした。
赤い手がひらひらと舞い、カゴのハンドルに絡みつき、お菓子をひとつ持ち出しまた戻す。指先のいたずらっぽさに恐怖よりも不思議な可笑しさを感じてしまうほどです。
翔の周りを小さな影が軽やかに跳ねて、くるくると移動しだした”それ”をよく見ると、小さな狐だった。尻尾をふわりと揺らしながら「コンコン」と鳴く姿に、ついに正体をあらわした・・・狐だけにしっぽを出したなと思わず翔は笑いをこらえます。
目の端で次々と現れる小さな怪異たちも、まるで狐の友達のように、店内の棚や通路で遊びまわっています。
翔は笑いをこらえながら、それでも背筋にぞくっとする冷たさを覚えたのでした。
店を出ると夜風が肌に心地よい。街灯の影に一瞬、狐の小さな姿がちらついたように見えました。
翔は思います。今回は害がないものだったから良かった。
鎌倉で慣れているからこそ、こうした不思議を楽しむ余裕もあるが、夜遅くの外出は油断できない。だから、少し慎重に歩くことが大切だと。
※画像はイメージです。


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