2025年5月1日のJ-CASTニュースに、「『ベッド下にアジア系の男が』都内ホテルで侵入騒ぎ ウクライナ出身女性が恐怖体験投稿、警察も出動」という記事が掲載された。
怪談系都市伝説の定番、「ベッドの下の男」が現実になった事で、皆恐怖に怯える日々を送っている事だろう。
適度な恐怖は危険信号として有用だが、過度な恐怖にはあまり利点はない。
徒に怖がり遠ざけるより、知識を広げ「ベッドの下の男」へ対処していく事が望ましいだろう。
ナタリ・コメンコ氏の証言
まず、今回のニュースをおさらいしておこう。
「ベッドの下の男」に遭遇したと主張するのは、ウクライナ出身タイ在住の女性、ナタリー・コメンコ氏である。
尚、元記事はホテル名も明記されているが、事実関係に曖昧な部分があるため、ここでは伏せておく。
以下は彼女の主張である。
彼女は、東京都内で大手ビジネスホテルに2025年3月29日にチェックインした。
翌日の19時30分、外出後に部屋に戻ったところ、室内に異臭を感じた。
臭いを頼りにベッド下を覗いたところ、アジア系の男が潜んでおり、目が合った。
男はナタリー氏を睨みつけた後、大声を上げて逃走した。
その後、彼女の通報により警察も駆け付けた。
ベッドの下からは、モバイルバッテリーとUSBケーブルが見つかった。
これについてホテルは宿泊費を返金したが、慰謝料については断った。
ホテルによれば、防犯カメラは男が映るような場所にはなかった(=映っていなかった)という。
以上である。
彼女はインフルエンサーとして活動している事から、本件をインスタグラムで公表しているようだ。
ホテルの方はJ-CASTニュース編集部の取材に対し、“現在、捜査機関に調査を依頼しており、捜査中ですので、お答えできることはありません”と返答している。
真相は藪の中
この件の一次ソースは、インスタグラムの彼女の投稿の筈だが、名前で検索しても出て来なかった。
自分が使い慣れていないSNSのため、調べ方が悪かったのか、アカウントを消したのかは、断言を避けておく。
カタカナでgoogle検索しても、今回の件で引っかかるばかりだ。
彼女の立場について「インフルエンサー」と記事には書かれているが、そこまで有名という訳ではないようだ。
J-CASTニュースとしても「ブロガー」程度のニュアンスなのだろう。
ホテル側のコメントで「捜査機関に調査を依頼している」という言葉が出ている。
「即座に否定しない以上、何かあったのか」と考えてしまいがちだが、即断は避けるべきだろう。
100パーセント嘘としか思えない事に対し、「お前は嘘を言っている」と主張しても、第三者からは見分けが付かない。
「調査中」といった決まり文句は、回答の方向性が定まっていない保留状態にある、という意味に受け取るべきだ。
単に答え方を決めるだけでなく、偽計業務妨害として訴えが可能か、弁護士に相談している最中という可能性も十分あり得る。通常、会社は勝つ見込みをきちんと積み上げてから、満を持して動くものだ。
尚、同社公式サイトに、現時点で本件に触れた告知は見られない。
彼女が本当に男を見たのか、嘘を言ったのか、見間違えたのかは、これだけの情報で判断する事は難しい。
まず「ベッドの下に隙間なんてない」という反論に関しては、現場を見ない限り分からない。あったとしても狭い、という場合についても、子供など小柄な人間だとしたら、十分潜り込める。
慌てた彼女が、相手をイメージより大きく認識する事もあり得る。東洋人と断定しているのも、小柄イメージを増強する。
精神的な不安や見間違いによって「見えてしまう」事も当然あり得る。
都市伝説上の「ベッドの下の男」
このような時は、別件に触れてみる事も有効だ。
都市伝説の「ベッドの下の男」は、このようなものだ。
アメリカで、とある独り暮らしの女性が、友人を招いた。
ベッドが1つしかないため、友人は隣の床に布団を敷いて寝た。
夜中になり、友人に突然起こされ、外に出ようと誘われた。
あまり熱心に誘われるため女性が渋々外に出た。
家から離れた辺りで、青ざめた友人がようやく理由を話した。
「ベッドの下に、包丁を持った男がいたの」
日本でも90年代には既に広まっていた都市伝説で、バリエーションを変えながら語り継がれている。
部屋に恐ろしい存在が潜んでいるという話は、割合にメジャーなもので『古今著聞集』には空き家に鬼が潜んでいたという話があり、『耳袋』には隙間に潜む「隙間女」の原型が語られている。
実際の「ベッドの下の男」に類似した事件も存在する。
2001年に東京都、2020年に徳島県、2024年に北海道で発覚、逮捕されている。
これらは逮捕された事例だが、「部屋で待ち伏せして殺害した事件」のいくつかが、ベッド下を利用していた可能性も十分あるだろう。

「ベッドの下の男」を見つけたら?
では「ベッドの下の男」の対策は、何かあるのだろうか。
それが人間である場合は、比較的容易だろう。
ベッドの下を埋める事、ではない。
勘違いしてはいけない。
不在中に部屋に侵入されている事が、根本的に危険なのである。
つまり、家に人が侵入出来ないようにする事、これが第一である。
空き巣はピッキングよりも閉め忘れを狙う。施錠でほとんどの侵入は防げる。
玄関だけでなく、裏口や窓もこまめに閉めなければならない。
高層階だから大丈夫、という考え方はやめた方が良い。
ベランダや非常階段、隣の部屋などを使うと、想像以上に容易にアクセス出来る事がある。全部、きちんと締めておく事が重要だ。
逆に、施錠した鍵を破って来る相手を防ぐのは、かなり難しい。
合鍵を渡した相手がストーカー化している場合、鍵は無力だ。また、懲役上等で窓を割って入る輩も難しい。
これについては、怪しいと感じた時点で対策する事が望ましい。窓は破壊に強いフィルムなどを用い、合鍵を渡した相手がいるなら、管理会社に正直に言って取り替えて貰おう。
悪意を持つ人に心当たりがあるなら、引っ越して相手から姿をくらますのが一番の安全策だ。
そういう相手を人間と思わない方が良い。羆や毒蛇、ペスト菌のようなものだ。
尚、それでも侵入され、ベッド下にいるのを見つけた場合はどうするか。
これは全力で走り、コンビニなどに逃げ込んでから110番通報すると良い。
この時、靴は絶対に履く事。靴のあるなしでスピードが全く変わる。
靴を履いたらノータイムで走って逃げる事。施錠は意味がない。躊躇わず全力で逃げるなら、追い付かれる可能性はあまりない。
何故なら、ベッドの下に這いつくばった状態からスピーディーに起き上がるのは、かなり難しい。
そして、ベッドの下で長時間待っていたなら、身体は固まっているからトップスピードまでタイムラグが出る。
完全に逃げ切る事が難しくても、人のいる通りまで行けばひとまず勝ちだ。この時、具体的な誰かを捕まえて助けを求める事。
「誰か助けて」
では、絶対に誰も名乗り出てくれない。
部屋に長い物があるなら、ベッド下を攻撃する手もあるが、角度的に力を入れにくく、かなりの思い切りがないと、無力化するのは難しい。
画鋲や割れたガラスを放り込むような手も無意味ではないが、何かしら傷を付けるとかえって逆上させる可能性も高いので、余程の自信がない限り、逃げた方が良い。
熊だって、余計な争いからは逃げるものだ。
ベッドの下にいるのが悪霊だったら?
がらりと世界を変えて、この「ベッドの下の男」が、オカルト的な存在、悪霊や隙間女のようなものだった場合、どうすれば良いだろうか。
この場合、鍵を締めていようが、ベッドの下を埋めていようが避けられない・・・のだが、あまり心配する必要はない。
幽霊、悪霊の場合、あなたに直接的なダメージを与える力はない。
彼らの怨念が人を殺傷するのであれば、警察は既に認識して、犯罪白書の死因欄に「幽霊」の項目が追加されているのが道理だ。
徐々に生命力を奪ったり、夢見を悪くさせるといった、回りくどい攻撃方法が霊のやり方である。
このような時は、まずベッド下を綺麗にしておく事が重要である。
掃除は「清め」に通じ、悪しき者を退散させる手段である。
掃除機でも効果はあるが、水拭きがより良い。
神社の手水からも分かる通り、清水は禊ぎに使われるものであり、邪を祓うのに向いている。
手が届かないなら、ワイパー系の掃除用具に雑巾をはめて使うと手軽だ。
これによって、気の鬱屈は解消し、幽霊にとって居心地の悪い場所となり、やがて退散するだろう。
日々忙しく、こまめな掃除がどうしても難しい場合、ロボット掃除機にやらせても良い。
それを買える程度の稼ぎがないなら、仕事選びが間違っている。給与と労働時間は反比例しなければならない。
座敷童子のような良い存在の場合も、掃除はして構わない。
彼らは悪霊と真逆だ。よく手入れされた綺麗な場所は、居心地が良く、居着きやすくなる。
「未知」を「既知(仮)」にしてくれるオカルト
これらの対策をしても尚、床下に何者かがいるようで、日々恐ろしい感じがするのであれば、あなたの一番納得出来る神仏の像などを部屋に置くと良い。
オカルトは夜の闇や唐突な災害、そしてベッド下のような、見えにくい、不明なものへの恐怖への特効薬だ。
考えても納得できない不安を、インスタントに沈めるために生み出されたのが、オカルトの本質であるのだから。
※画像はイメージです。


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