高度成長期の会社帰り

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クソクライアントのせいで打ち合わせが長引き、深夜になってしまった。早く帰って寝たいと車を飛ばし帰宅している途中、眠気覚ましにコーヒーを買おうとコンビニに寄った。

駐車場に車を停め、雨の降る中で傘も刺さずに店に駆け込むと、店内はなぜか全くの無音で、音楽すらかかっていない。冷蔵ケースから冷たいコーヒーを取り出してレジにもっていくが、店員が現れない。
「すいませーん、すいませーん」と何回も叫んでも梨の礫だ。
学生時代コンビニでバイトしたので、多分やる気のない店員がバックルームで寝てしまったのだろうと、レジの脇にある扉を開いてみたが誰もいない。

「なにやってんだよ・・・」

疲れからイラツイてきたときだった、かすかなざわめきを感じた。
誰もいないはずなのに、どこからか誰かの声がきこえてきたので、周りを見渡した。
すると、天井の隅に設置された防犯ミラーに目が行くと、映っている自分の顔が勝手に微笑んでいる。
慌てて顔を手でまさぐっても、その動作は映らない。
首が微かに傾き、笑った自分が見つめかえしてくる。

恐ろしくなって逃げようとするが、足が床に張り付いたように動かない。
ギョッとなって足を見ると、人の形をした影の手が足首を掴んでいる。
冷たい感触が頭の先まで電撃のように走り、叫ぼうとするが声は出ず、息だけが苦しくなる。
なんとか逃げなければと、影を振り払おうとしていると、店の窓がガラスのように反射し、映り込んでいる自分の顔がすべて微笑んでいる。
だが、どれも笑っているのは俺じゃない。
恐怖に戦いているうちに、気が遠くなっていった。

なにか生暖かいものが顔を舐める感覚がして、はっと目を開けると、犬がおばさんに連れられてこちらを覗き込んでいた。

「貴方、大丈夫? 救急車を呼んだ方がいいかしら?」

周りを見渡すと潰れてしまって中身がスッカラカンのコンビニがあり、その駐車場で倒れていたのだ。
おばさんに昨晩のことを話すと、やはり怪訝そうに首を振り「貴方、疲れているのよ」と言った。

礼を言って車に乗り込み、その場を離れる。確かに疲れていたのだろう。夢でも見ていたに違いない。
ふとバックミラーを見ると、自分の顔が微笑んでいた。
そして、その首が、ゆっくりと傾きはじめた。

ジャパニーズビジネスマソ
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