クリスマスイブの夜

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クリスマスイブの夜、雪がしんしんと降っていた。
ショッピングセンターの中では、プレゼントやケーキの箱を抱えた人々が、足早に眼の前を横切っていく。
人混みから離れたクリスマスツリーのそばに、赤いセーターを着た子供がぽつんと立っていた。
周りに親の姿はなく、ただの迷子だと思った。

こんな日だし、柄ではないが、人助けのつもりで子供に近づくと、微笑むのだが、なにかが違うように感じた。
「どうしたの?」と声をかけても、答えはない。とりあえず迷子センターに連れて行こうと手を握ると、手が異様に温かく、むしろ熱を帯びているくらいだった。
体温が高い、具合でも悪いのかもしれないと急いで歩き出すが、周りの視線が痛い。
自分の子供とは思えない程に俺は若い、それに容姿も褒められたものじゃなく、服装も汚れていて、人さらいとでも思われているのだろうか。

途中で背後から小さな笑い声が聞こえ、振り返ると、子供は笑っていない。
声は、どこか別の場所から聞こえている。

通りがかったレストランの窓には、家族がテーブルを囲んでクリスマスのご馳走を楽しんでいる姿が見えた。
なぜか、自分がひどく惨めに感じた。
突然、子供の小さな手がもがき、俺の手を振り払う。
何だと思って向き直すと、子供はニヤリと笑った瞬間に、忽然と消えた。
こつぜんと俺の前から消えた。
足元には、ほんのわずかに赤い毛糸の欠片が落ちていた。

周囲はクリスマスムードに満ち、誰もこの出来事に気づいていない。
どこからともなく、あの子の笑い声が耳元で響く気がする。
足元に落ちた赤い毛糸の欠片が、消えた子供の痕跡だとしたら、俺は一体何を連れて歩いてしまったのだろう。

自分以外は誰も知らない、。確かに体験したはずなのに、現実はまるでなかったかのように夜が過ぎていく。

スティーブンブン丸・キング
クリスマスをテーマにした創作怪談を書きました。
感想があれば教えてください。

「奇妙な話を聞かせ続けて・・・」の応募作品です。
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※画像はイメージです。

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