私が小学校低学年の頃、よく近所のお寺で遊んでいました。
公園などもあったのですが、お寺は古い木々が生い茂って少し不気味で子供には冒険心をくすぐる場所だったのと、和尚さんが親戚筋だったので時々遊んでいるとお菓子をくれたのです。
ある日曜日の午後、私は友達とかくれんぼをして遊んでいました。
鬼だった私は、隠れた友達を探して境内を探していると、見たこともない女の子が立っていたのです。
「なんだ知らない子か・・・関係ないや」と思って、再び友人たちを探し始めようとしたとき、違和感を感じて女の子をよく見ると、影がゆらゆらと揺れ、足は地面に触れていないように見えました。
服も古びた着物のようで、おかっぱ頭の前髪で隠れた目がこちらを凝視しているのです。
私は「誰?」と聞こうとするのですが、喉が詰まり声が出ません。
後ろに一歩後退りすると、女の子は動き始めてゆっくりと歩きながらだんだんと私に近づいてきます。
それも音はまったくせず、ただ影の輪郭だけが揺れているだけのように見えました。
「逃げなきゃ」と思うのですが、心臓が張り裂けそうになり、全身の力が抜け、足は地面に釘付けになったように動けません。
女の子の目は、なにか獲物を見るように私をずっと見続けています。
「逃げなきゃ逃げなきゃ」と焦るのですが、全く体を動かすことはできず、すこしずつ、でも確実に近づいてきます。
そして、すぅと伸ばした女の子の手が私の頬に触れた瞬間、なにか冷たい物が全身を巡り、ビクッとしました。
「もうこれでおしまいなのか・・・」と思った瞬間、・・・・眼の前に見えたのはお和尚さんの顔だったのです。
どうやら私は友人を探している途中、夏の暑い盛りだったので熱中症で倒れてしまったのでした。
私が倒れているのに気がついた友人たちが和尚さんを読んできて、お寺の中に寝かして介抱してくれたのでした。
しばらくすると意識がハッキリしてくたので、和尚さんに女の子を話をすると、「まあ、こういうお寺だから曰くの一つや二つあるからなぁ」と豪快に笑われました。
心配して見守っていていてくれた友達たちも、「昼間っから幽霊なんかでるかよ」と大爆笑です。
その夜、夕食の後に母に話をしても、「見間違いじゃないの?」と笑われました。
「そうだよね・・・」そうだとは思うのですが、でも和尚さんの「曰くの一つや二つあるから」という一言が忘れらません。つまりあのお寺には、確実になにかが”ある”という事です。
あれから十数年経ちますが、今でも境内を通るたび、なにかがこちらを見ているような気がしてなりません。
※画像はイメージです。


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