廃墟巡りが趣味だ。
SNSで存在を知って、掲載されていた写真は確かに俺の好みに刺さった。
それから気になっていたT病院は住んでいる地域からすこし離れていて、ようやく行くことできたのだ。
その地区はある基幹産業があり、とても栄えていた。
ところが理由は忘れたが工場が閉鎖されたと共に、町は一気に過疎化したらしい。最近までは何人かの高齢者が住んでいたがお亡くなりになって、今は誰も住んでいないゴーストタウン。
病院は昭和初期に建てられた建物で良い設備とはいえず、ヤブ医者ばかりで評判は良くなくて、当時からキナ臭い噂が絶えなかったようだ。
そのせいなのか、心霊スポットとしても有名になり、「霊感のある人間は近づけない」とまで言われているらしい。
しかし俺は心霊などは信じない、むしろ自然に埋もれていく廃墟の廃退美を画像に収めたいのだ。
理想的な廃墟、T病院
当日、ナビを頼りに進んでいくと既に取り壊されているが、過去に人々が住んでいた気配がうかがえる、草の中に住宅基礎がみえる区域を抜けると、途中から舗装もない砂利道になった。
さらに木々が生い茂り、車で進んで行くことはできそうもないので歩いて行くことにした。
電波が弱くスマホのナビも曖昧になってきたが、おそらく同じ趣味の人だと思う割と新しい車の跡があった。
俺は無理だと判断し徒歩に切り替えたので、かなり気合が入っているかオフロードが得意な車なのだろうと思いながら、道案内ありがとうと感謝しながら進んでいった。
ようやく着いた病院は、木立の奥に沈むように建っている、古いコンクリートの箱型建築。
窓ガラスはほとんど割れ、入口には「立入禁止」の札。
内部は想像以上に傷んでいて、床は腐り、天井は崩れかけ、暗くてじめじめしている。
廊下には壊れた車椅子や、古いベッド、点滴台。埃が舞い、光が差すと床にガラスの破片が輝いた。
写真を撮るには理想的な廃墟に美学を感じながら、写真を撮り歩いた。
幽霊がいた?
手術室に入ったときだった。
なぜか他の部屋に比べて、妙に“誰かが片づけた”ような秩序があるのに違和感を感じた。奥の扉を開くと手術台があり、おおい被さっている白いシーツが膨らんで見える。
シーツをめくってみると人間の顔が見えた。やけにリアルに感じられたが、廃墟ではよくあるイタズラのマネキンだろうと思って、思い切ってシーツを全部剥いでみると。
腹部がバッサリと切られ内臓が見えるような状態にされている・・・それに少し動いているように見えた。
どうみてもリアルな人間だ。
驚きのあまりのショックでシーツを手に持ったまま立ち尽くしていると、窓から入ってくる陽の光が揺れて、人影が見えた。まさか幽霊?と思った次の瞬間、マスクをした男が目の前にぬっと現れて腕をつかまれた。
あまりの出来事に、力ずくで振り払い、逃げ出した。
病院から出て、来た道を全力で戻りながら、スマホをみるとなんとか通話圏内だったので警察に連絡をしたのだ。
これからが本当に怖い話
警察がやってくるまで2時間近くかかり、待っている間、あの男がやってくるのではないかと生きた心地がしなかった。到着してから詳しく事情を話すと手術室まで案内をさせられ、やはり、マネキンではなく人間の遺体だった。
そのまま、近くの警察署まで任意で同行し、書類をかかされ、逮捕まではいかなかったが、書類送検されて後に略式起訴で罰金を支払って終わりました。ただし、かなりキツめにお説教され、遺体の事があったの重要参考人として呼び出しに応じてもらう事になったのです。
警察から開放されると日が暮れかけていた。
置いてきてしまった車を取りにいかなければならないので、タクシーで現地まで行くと、置いてあった車は窓が全部割られて車体もボコボコ。
状況を見兼ねてタクシーの運転手さんが、知り合いの整備工場に連絡をしてくれて車を取りに来てもらい、俺は電車で帰ったのです。
もう廃墟はコリゴリ・・・そう思いながら日常生活を送っていると、知らない番号から電話が。
てっきり車の修理ができたから連絡が来たのだとおもった、だが、それは全く違った。
「お前を監視しているからな・・・警察に余計なことを言えば、お前が手術台に乗ることにからな。」
※画像はイメージです。


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