怖い話が大好物の私、最近の怪談ブームもあり怪談ライブや怪談バーが増え、いろいろと巡って楽しんでいます。
これは、ある怪談を聞いてしまった為に憤りを覚えてしまったというお話です。
ある夜、SNSのフォロワーさんから聞いた、おすすめの怪談会があるということでY市の外れの居酒屋へ行きました。
既に”いかにもな”雰囲気の怪談師さんを何人かが囲んでいて、あえて距離をおかずに話すのがここのスタイルだというですが、悪くない演出です。
しばらくすると店内の照明が徐々に落とされ暗くなり、話が始まりました。
怪談師の方は岩手県出身の若い女性、民話ベースの話が多めで”怖めの日本昔ばなし”のような内容で、聞いたことがない話が多くてとても怖い。
会場もだんだん盛り上がって来たところで、最後は体験談という事で期待がふくらみました。
怪談師の怪談
彼女が大学生の時に体験したという出来事で、夏休みの夜に友人たちと地元の心霊スポットに向かったそうです。
そこは、過去に起きた民間航空機と航空自衛隊の戦闘機が接触して墜落した、前代未聞の事故が上空で起きた場所で「慰霊の森」と呼ばれている。
バラバラになった犠牲者の遺体が散乱して、まるで地獄絵図の状態。
慰霊碑を建てても収まらず、今でも、さまざまな心霊現象が起きている、有名な心霊スポットとというのです。
近くにいった途端、空気が急に重くなり、突然カーステレオの音量が最大になり、車のエンジンが停止。
何度セルを回しても、うんともすんとも言わないません。
さらに信じがたいことに、カーステレオから、「来るな。帰れ。」とはっきりとした男の声が響いたのです。
スポットへ向かった全員が怯えきり、行くことを断念すると。その途端、不思議とエンジンが何事もなかったかのようにかかり帰路についたのでした。
途中、コンビニに立ち寄って車をみると、あちこちにべったりと“手形”が残っていた。
心霊現象か、偶然か・・・その心霊スポットに向かおうとすると、必ず何らかの怪異が起こるというのです。
誰か、“何か”が「来るな」と言っているかのように・・・。
今までの話が良かっただけに、最後が思ったよりありきたりな怪談でがっかり。
会場でも賛否両論な感じの微妙な空気感が流れつつ、お開きとなったのでした。
怪談のウソ
さてこの話はこれでおしまい・・・とする訳にいきません。
いえ、そうしたくはないのです。
その理由は、私の故郷は雫石、怪談師とおなじ岩手県の出身で、この話は確実にはウソであるからであります。
では何がウソなのか、説明していきます。
まず飛行機の事故には本当の事で、1971年7月30日に起きた全日空機雫石衝突事故の事で、wikiペディアにも書かれています。
ただ、事故が起きたのは「慰霊の森」の上空でもなければ、遺体は雫石町の西安庭地区の広範囲に飛散したので、落下地域に入ってはいますが、ここだけに落ちた訳ではありません。
むしろ、慰霊碑が建立され、霊を鎮めるための祈りの場として整備され、遺族や関係者たちが祈りのために何度も足を運び、静かに手を合わせてきた「鎮魂の地」です。
にもかかわらず、噂話などで過剰に「呪われた地」として消費され続けています。
同郷の者として
他県のひとならともかく、同郷だとすると・・・どうなのだろうか?
事故もあった、落下した犠牲者を見て人の雨が降ったという話があった。
親や祖父母、もしくは近所のオジサンやオバサンに話を聞いたり、霊的なに何かを感じた者がいたのは事実かもしれない。だが、それ以上に多いのは、半ば娯楽として訪れる人々だ。
けれど、同郷としてそれを怪談として歪めて良いものでしょうか?
実際の場所を歪め、事実にない“怖い話”で死者を引っ張り出す、虚構を真実のように語ることで、誰かの無念を踏みにじる。
もしも何かが起きるとすれば、それは霊の怒りではなく、そういった者たちの抗議なのかもしれない。
すべてとはいわないが、怪談は死者への冒涜なのでは?と思ってしまったのです。

※画像はイメージです。


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