日本神話の中には、八百万の神々といわれるほど多くの神が存在し、物語を彩っている。
しかし、その大半はマイナーな神であり、日本全国で神社に祀られている場所にも大差がある。
その中で、古事記に登場する知名度が低い二人の姫神がとても重要なところで活躍している。
どのような神でどのような功績を残したのだろうか。
(「討」の下に「虫」)貝比売と蛤貝比売
(「討」の下に「虫」)貝比売(キサガイヒメ)と蛤貝比売(ウムギヒメ)は、日本神話を好きな人にとっても余りなじみがない知名度が低い神である。
登場シーンは、大国主ことオオナムチが、兄神から狙われる場面である。
大国主の神話で、たくさんの兄神たちである八十神から嫉視された大国主神が、八十神が猪と偽って山上より転がした焼ける岩を抱き止めて焼け死んだ。
神産巣日之命(カミムスビ)の命令によって両神が派遣され、治療に当たったという。
それは、赤貝の削り粉に人乳を混ぜたもの(もしくは人乳に似せた貝汁)を使用し懸命に看護したという。
その治療の甲斐もあり、大国主は生き返ったというのだ。
貝の神様の蘇生技術
日本神話の中でも、一度死んだ人間を蘇らせたというのはこの『貝』の二姫神だけだと考えられる。
この蘇生について、神が人だったという過程で、本当に生き返ったことが何かの例えだとするならば、大国主の死は何だったのだろうか。
とある見識の一つに、大国主は死ぬ間際の大火傷であって、傷を治して回復したという説である。
二人の神は、粉末にした赤貝の殻を母乳に見立てた蛤の白い汁で溶き、火傷の治療に使ったという民間療法を現したとするものがある。
事実的には、貝の粉末はカルシウムで止血効果は科学的にあるものの、貝汁から火傷に効く効能は無いというが、何かを例えたものだったのだろうか。治療に際して、蛤貝比売が母乳汁を使ったことを、生命力や繁栄の力を得たことと現すとされており、実際に母乳には薬として使用した歴史があるようで、唐代の書物にも記載があるという。
また、母乳について神聖な霊力が宿っていると言われ、その力を受け大きな進化を遂げたとも考えられる。
出雲に残る再生神話
この大国主が蘇生した神話については、出雲西部から東部にかけて集中していることから、古代の地で重要な意味を持っていると言える。この貝の名のある2姫は、出雲地方において、古代医術に長けた人物、もしくは神秘的な力を持つ者、有力者など色々と考察できる。
大国主は、八十神にその才能と美しい妃を手に入れたことを妬まれて、何度も命を狙われ、死を経験しては蘇っている。大国主が名もない身分の低い神だった頃から、周囲に痛めつけられ、迫害されながらも、協力者の力を借りて徐々に立派な英雄となるサクセスストーリーなのではないかと考える。
まだまだ駆け出しで、周りに卑下されていた大国主を助けた(「討」の下に「虫」)貝比売と蛤貝比売の神たち、もしくはその出雲勢力と考え、それを土台として国を広げ周囲を取り込んでいくといった話も考えられないだろうか。
事実、多方面に大国主は妻がおり、その数100を超えたという。
想像の域を脱しない話ではあるが、マイナーな神にもスポットを当てると面白い。
ちなみに、(「討」の下に「虫」)貝比売と蛤貝比売は、出雲地方の神社で祀られており、稀有な神で日本でも祀られている神社数が少ない。
その2柱は看護の神だと言われ、看護師や介護に携わる人々へご利益を授けると言われている。
今後の医療福祉を担うだろう方々にお参りに行ってみて欲しい。


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