猫がみたもの

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首都圏にある車が1台通れるぐらいの路地に面した、小さな2階建てのアパートで一人暮らしをしてた頃。
夕方になると飼い猫が出窓に座り、外をじっと見つめながら「にゃあ」と、か細い声を上げる事がありました。

不思議に思って、ある日そっと外を覗いてみると、窓のすぐ下の道にランドセル姿の女の子が佇んでいて、猫に手を振っているのが見えました。猫の鳴き声は、その子に対してだったのです。
どうやら猫は夕方になると出窓でじっと彼女を待っているようで、少女もやってきては笑顔で手を振っていく。
その光景は微笑ましいものでした。

目次

少女の一言

仕事から帰宅途中、自宅のアパートの路地に例の少女が立っていて、私の部屋の出窓を指さしていました。
「こんにちは。猫が好きなの?」
そう声をかけると、彼女は無表情で思いもよらない一言が帰ってきます。

「ねぇ、お母さんを降ろしてあげて」

私は言葉の意味がわからず、思わずしゃがんで女の子の視線の先をたどると、猫の背後、引き戸の角に髪を垂らした女が首を吊っていたのです。
表情は見えません。ただ、吊り下がる足と揺れる影。

言葉を失って固まっていると、少女が訴えかけるように・・・。

「お母さんを返して。ずっとあそこにいるから。お母さん、毎日“痛い痛い”って言ってるの」

そして彼女は、振り返ることなく走って去っていきました。

本当の話

私は恐る恐る家に入ってみましたが、首を吊った女はいません。
でも恐怖で家にいられず、猫は行きつけの動物病院に預け、私はひとまず近所のビジネスホテルへ。
受付を済ませてロビーのソファで茫然としていると、心配に思ったのか初老の男性スタッフが声をかけてきました。

「どうかされましたか、かなりお疲れのようですが?」
「自宅のアパートでちょっと変なものを見てしまって」

ポロッと素直に返答してしまいました。
突然こんな事を言うのは、おかしな人だと思われてしまうとハッしたのですが、彼は急に静かに言います。

「お客さまのお住まい、○○アパートですよね」

驚いて頷くと、彼は続けました。

「数年前、あのマンションで母子の無理心中があり、お母さんが娘さんを殺してから、自分も・・・おそらく、お客さまの住んでおられる部屋でしょう」

真相と恐怖

後日、ネットでその事件を調べると、たしかに報道されていました。
母親が娘を殺害後、自殺。
アパートの名称こそ出ていませんでしたが、男性スタッフの話と一致しています。

さらに某掲示板に事件についての書き込みがあり。
「父親は人当たりは良いけどDV疑惑があり、母親はヒステリックで周囲と関わらない人」
「警察の操作では母親が殺害というけれど、父親も怪しい」
「父親は地元のホテル勤務だったらしい」

読み進めるうちに、寒気が背筋を這い上がってきました。
あの女の子は幽霊?
あのときロビーで話しかけてきた男性スタッフ、彼こそが「あの家族の父親」なのではないか?

最後の出会い

それから私は猫を連れてすぐに引っ越しました。
新しい家では何事もなく穏やかに過ごしていたが、ある日、近所のスーパーで買い物をしていると誰かに肩を叩かれました。
振り向くと例のホテルの男性スタッフが立っていて、まるで旧知のように微笑みかけてきます。

恐怖を隠して挨拶すると、彼は柔らかくこう言ったのです。

「やっと見つけた。誰にも話さないでくださいね」

彼は人混みにまぎれて去っていき、二度と、彼の姿を見ることはありませんでした。

※画像はイメージです。

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