お墓参りの祟り

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20数年前、私がまだ小学生だった頃に起きた、今でも鮮明に覚えている悲劇です。

私の親族は昔からお盆には必ず集まり、お墓参りに行くという習慣があり、その年も例外ではなく、10人ほどの親族が集まっていました。
ただし、一つ違ったのは、次の日は家族だけの水入らずで旅行にいく予定です。
そのために準備に手間取ってしまい、お墓へ行くのが少し遅い時間になってしまいました。

目次

お墓参りの出来事

お墓参りはいつもと同じなので順調だったのですが、兄が親戚の子供達と悪ふざけを始めて、あろうことか鬼ごっこをはじめました。
大人たちが必死に注意しても耳を貸さず、墓地中を走り回り、ついに、墓石にぶつかって転び、その衝撃で墓石そのものが倒れてしまったのです。

動揺してざわつく大人たち、過激な親戚に鉄拳制裁を加えられて泣きじゃくる子どもたち、墓地である意味地獄絵図。
父たち数人が力を合わせ、なんとか墓石を元に戻し、その場にいた親族全員で手を合わせ、深々と謝り、足早に墓地を後にしました。

もう駄目だ!

そして翌日、朝から車で遠くの温泉地への長い道中を進みました。
6時間以上かかる道のり、途中までは高速道路ですが、下道に降りていくつかの山を超えていかなければなりません。
あとはこの山を下れば到着、その時、異変が起きたのです。

運転していた父が、突然、叫びました。
「ダメだ! ブレーキが利かない!」

車内は騒然となり、私は半ばうとうとしていた意識を一気に引き戻されました。
父は必死にハンドルを握り、くねくねと曲がる山道で車をなんとか制御しようとします。

誰かが呟きました。
「昨日の、墓参り」
その瞬間、全員が凍りつきました。

父は必死の思いで開けた野球のグラウンドのような場所に車を滑り込ませ、サイドブレーキを思いきり引きました。
横転しそうになりながら、土煙をあげて車はようやく止まりました。

震える手で車を降りた私たちは、顔を見合わせながら、無言のうちにすべてを悟っていました。
あれは、やはり、昨日のことが原因なのだと。

その後、今までの事が嘘だったように車は走り出し、旅行自体、何とか無事に終えました。

旅行から帰った次の日、父はいつも車検を頼んでいる整備工場へ車をもっていって事情を話します。
点検してもらって、これといった異常は見受けられない事を注がられた父は、墓参りの粗相が原因だと家族に告げて、兄は更に怒られてたのでした。

知ったこと

・・・ところがこの話はそれだけでは終わりではないのです。
私が成人して車に乗るようになり、いつもの整備工場では車の販売もしているので、初めての車を購入した時です。

車の鍵を受け取rうと、整備工場の社長さんがニヤニヤしながら私に話しかけてきた。

「そういえばさ、ずいぶん前にお父さんの車、ブレーキ利かなくなったって大騒ぎしてたろ?
あれさ、幽霊とかじゃないからね。フェード現象ってやつだよ。」

私は一瞬、何のことかと思ったが、すぐに思い出した。
あの、家族全員が震え上がった、あの日の出来事を。

「ほら、お父さん、昔から車の運転得意じゃなかったろ?
トロいっていうか、まあ、ぶっちゃけ、ミスしても人のせいにするタイプだったからさ。
高校のときもよくそんなことあったよ。」

そう言って、社長さんは笑った。

私は黙ったまま、鍵を強く握りしめた。
あのとき、兄が怒られ、みんなで怯えたあの恐怖は、もしかしたら、最初から父の小さな見栄から生まれたものだったのかもしれない。
恐ろしいのは、墓石でも幽霊でもなく、人間だ。

※画像はイメージです。

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